特集 ラピスラズリの神秘
ラピスラズリ(瑠璃石)は、12月の誕生石です。ラピスラズリのラピス(Lapis)はラテン語で”石”、ラズリ(Lazuli)は”青”や”空”を意味するペルシャ語の”lazward”が語源であると言われています。
古代ローマの博物学者プリニウスは、ラピスラズリを『星のきらめく天空の破片』と表現しています。それはまるで、この深い青に、パイライトの金色が、瞬く星のように見えたからでしょう。
また、ラピスラズリはその神秘的な輝きから、古く数千年も前から、世界各国で神の石としてあがめられてきた石です。私も、ラピスラズリが大好きで、よくうっとりしています。
安いラピスラズリは白い部分が多く、これらはカルサイトでできており、ソーダライトと呼ばれいて、ラピスラズリとは区別されています。本当にランクの高いラピスラズリは、衰えを知らない青さと、金色をたたえています。私が魅力を感じるのは、青い石だからかもしれません。
空や海は別ですが、はっきりした青い物質というものが自然界にあまり見受けられないので、心ひかれるのだと思います。例えば、青い鳥。青の洞窟など、青の不思議な魅力に、人々は心をときめかせながら、物語をつくるのでしょう。青は清楚ですが、しかし、どうして、とても派手な色だと私は思っています。私がデザイナーとしてカラーを見るとき、青は『冷静』のイメージです。しかし、赤と同じくらい人の関心を引くのが青なのです。
矛盾するかもしれませんが、そこに私は自然を超越した宇宙を見ているのです。人間が触れてはいけないような、または禁じられているような、崇高な力を感じるのです。だから、各地で神の石と言われたのかもしれません。そして不思議なことに、賢者的なインスピレーションや冷静さを与えてくれるのです。まるで大地を、地球そのものを腕に着用するような、それはそれはエキゾチックでロマンティックな、愛おしい感覚を覚えてやまないのです。
古代エジプトでは、紀元前3000年頃の墳墓から、ラピスラズリの装飾品や工芸品が数多く発見されています。天空と冥界の神オシリスの石とされたラピスラズリは、ツタンカーメン王の棺にも、死者の書の呪文とともに、霊魂の流転再生の願いが込められました。他にも太陽と再生のシンボルである虫スカラベやオシリス神の鷹の頭を持つ息子ホルスの目がラピスラズリに彫られ、護符として用いられたのです。
ラピスラズリの鉱脈を探すことは、ファラオ達(王)の生涯の義務でした。何世代にも渡って、彼らは鉱脈を探し続けたのです。
またエジプト人はラピスラズリの持つ超自然的な力が病気にも効くと考え、眼病や鬱病、頭痛などの際に粉末にして塗布したり服用したりしたとパピルスに書かれています。
病気、怪我などが悪霊や呪いなどによって引き起こされると信じられていた時代にはごく当然のことであったでしょう。
さらに、ヨーロッパでは、ルネサンス期にラピスラズリは「ウルトラマリン(海の向こうから来た青)」と呼ばれ、群青色の顔料として珍重されていました。
ラピラズリから抽出したこの顔料は、他のものでは同じ色を出すことができず、金と等価で取引されるほど高価なものだったのです。
日本では、ラピスラズリは瑠璃と呼ばれ、仏教の七宝(金・銀・瑠璃・玻璃・しゃこ(貝)・珊瑚・瑪瑙)のひとつとされ、法華経や阿弥陀経にも登場し、真言宗の開祖、空海(西暦774-835年)は瑠璃を守護石としていました。
開運効果以上に、ラピスラズリが古来から非常に重要視されてきたのは、それが「神につながる石」だからです。この石とともに瞑想し、石の内部に入り込んだ自分をイメージすることを繰り返していくと、自らの大いなる自己、ハイヤーセルフとコンタクトする道が開かれると言われています。また、当店のラピスは上物です。しかも、安くお出ししておりますので、ご満足いただけると存じます。