【宝石】ネフライトの特徴とは?意味やジェダイトとの違いも解説します

ネフライトは翡翠の一種で、別名「軟玉」と呼ばれます。
翡翠には他に「硬玉(ジェダイト)」もあり、2つを総称して「翡翠(ジェード)」と呼ばれることが多いです。
今回の記事では、ネフライトの特徴や意味、効果について詳しく解説していきます。
ネフライトについて興味がある方はぜひ参考にしてください。
翡翠についてはこちらをご覧ください。
ネフライトの鉱物としての基本情報は以下の通りです。
ネフライトの鉱物情報
英名 | Nephrite |
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和名 | 翡翠(軟玉) |
成分 | Ca2(Mg2Fe2+)5[OH│Si4O11]2 |
結晶系 | 単斜晶系 |
硬度 | 6~6.5 |
比重 | 2.9~3.02 |
屈折率 | 1.61 |
色 | 白色、緑色、濃緑色、黄緑色、淡黄色、褐色、黒色 |
産地 | アメリカ(ワイオミング州、アラスカ州)、カナダ、ニュージーランド、ロシア、台湾、中国 |
ネフライトはガラス光沢の輝きが美しい翡翠の一種です。 翡翠は1863年までは単一種類の宝石と考えられていましたが、ジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の2つに分類されました。 中国で「翡翠」といえばこのネフライトのことを指します。 名前はギリシャ語の「nephros(肝臓)」に由来し、中南米では粉末にして肝臓の薬として使われていました。 1万年の 様々な権力の道具として、愛として とろっとした独特の質感と白い肌は 国中の白い玉はその全てが皇帝のもの。 「やがてその美しさは凶器になり、狂気になった」 あなたは、Jade=ジェードという鉱物をご存知でしょうか? ジェードはもともと、ネフライトとジェダイトの両方をさす総称で、主に海外でよく使われる言葉です。 よくジェダイトの歴史で最古とされるのは中国だと勘違いされますが、中国ではネフライトの歴史のほうが古く、ジェダイトではここ日本が最古になります。 およそ1万年前から珍重され ネフライトの文化はジェダイトよりも古く、1万年も昔から、中国ですでに利用されていました。 そして6000年前ごろになると、農耕農具や武器、装飾品がつくられ、玉文化が栄えていたのです。 ネフライトの中で、当時から「真の玉」とされ、今ではほとんどお目にかかれないものに和田玉(ホータンギョク)があります。これはウィグル自治区の和田という場所にちなんで名づけられた特別美しいネフライトで、ここのものは、より緻密で結晶の筋が見えないくらい細やかな肌をしたものがあります。 ネフライトが中国で愛された理由の1つがこの緻密さで、彼らはこの石を「潤っていてあたたかな感じがある」といいました。 トロッとして濡れたような輝きをとても好んだのでした。 和田玉の原石 ネフライト自体は世界中で採れますが、とりわけ純白の肌をした白玉と呼ばれるものは別格です。 白いものはごくごく稀で、希少性が高く、なかなかお目にかかれません。 ここの玉はもう、当時に比べて、ほんの少ししか採れないからです。 しかもそれらは、中国人の手によって買いしめられてしまうため、門外に出ないのです。 例えば「違う産地のものでもよいから、白玉が欲しい」と業者に伝えたとしても、白玉自体がないのですから、とりあってもらえないことがほとんどです。 今では、和田玉というブランドが出来てしまい、他の産地のものでも、和田玉として販売されています。 秦の始皇帝の頃から、白玉はよく用いられるようになりました。 先ほども申し上げましたが、ネフライトの中でも、白いものは、ごくごく稀な希少色で、純白のものは別格に扱われます。 これこそ、もっとも高貴な色とされ、国中のあらゆる羊脂玉は全て天子に献上されました。 そしてそんな尊い白玉がぶつかり合う音色は、天子=王の声であるとされました。ホワイトネフライトが奏でる独特の高い音は、細密な結晶によって生まれる音です。 それこそが、王の音であり、王のものでした。それにともなって白玉の加工技術は盛んになります。それは命を懸けたものでした。 王に召抱えられる技術者はエリートたち。しかし彼らに失敗は許されません。それは死を意味していました。そのため、彼らの美しい細工は、魂を込めた輝きを放ったのです。 そしてそれはしばし、“美しい凶器”になりました。 ネフライトは非常に精密なため、実はとても丈夫です。そのため、繊細な加工が可能でした。 すると、人を殺める秘密道具としても活躍します。 先を鋭く尖らせた指輪などに毒を塗って使用されるなど、薔薇の棘のように美しく妖しく活躍したのです。後世になって、やがて、人々が豊かになってくると、庶民の手にも白玉は少しずつ渡るようになります。 しかし、それはひそかに受け継がれました。 白玉はとても価値があるものです。時に、そのもの自体がお金の役割を果たしました。彼らはそれを取り上げられないように、ボタン型にしたりして、そっと袖に隠したのです。 中国の西の方や、台湾、ロシアなどが主な産地になりますが、今の流通は特別なルートを使わない限り、ほとんど無いに等しいくらいです。 それほど白いネフライトは貴重で、無いものなのです。 しかも、それに加えて中国の好景気が加わり、白玉は相当高騰しているということでした。 記憶に新しいのは北京オリンピックです。 あの時、白、青白、青の3色のネフライトがメダルに使用されたことから、人気が高まり、ここ数年で数十倍の値段になりました。 もちろん金メダルには白玉があしらわれています。 それほど、彼らにとって白玉は高貴なものなのです。 しかし和田玉はもう良品がそろいませんので、メダルに使われたのは崑崙玉だといわれています。ここも和田玉からほど近い場所で、昔から良品が採れることで知られています。 今ではどんな石でも玉と言いますが、かつて、玉といえばネフライトのことをさしていました。 そしてその玉という字は、王という字から生まれたのでした。 王という字は、特別な3つのジェードの板を紐でつなげた形から生まれました。 最上段の板は天を、真ん中の板は人を、そして下段は地をあらわしていたのです。これらを総轄する人は、特別な人間であって、それこそが王であるとされました。 そしてその王(天子)が、特別な宝玉を持っているという形になぞらえて、玉という文字になったのです。 なぜ、後に、ネフライトよりもジェダイトが高価になったのでしょう? あれほど高貴だとうたわれた宝石が、ジェダイトに王座を奪われてしまったのか。 それはジェダイトが色彩鮮やかだったからです。 ビルマ=現在のミャンマーで、色鮮やかなジェダイトが採掘されるようになってから、その人気はジェダイトに偏ってゆきます。 ジェダイトはクロム系の成分によって発色するものがあります。この発色の仕方は、エメラルドやルビー系の発色で、内側から輝くように鮮やかなのです。 しかしネフライトは、鉄系の発色のため、同じ緑でも沈んだ緑に見えます。深緑や白、黒と、色のバリエーションも地味だったため、人気が移行してゆきました。 ジェダイトは硬玉、ネフライトは軟玉などと呼ばれますが、実際には硬度はほとんど変わりません。 むしろネフライトの方が、粘さ=靭性(じんせい)があり、削ってみるとジェダイトよりも硬いのが分かります。 その秘密は、結晶の出来方にあります。ネフライトは高温で低圧の場所でできるのですが、それが緻密さを生むのです。 結果、ジェダイトの結晶は比較的大きく、ハッキリとブロックのようになっていますが、ネフライトはマーブル状に絡み合っていて、とても緻密なのです。 そのため、細やかな彫刻に耐えられることから、様々な工芸品に加工されました。 私も昔、糸魚川でネフライトをとって削ってみたことがあるのですが、本当に硬く、他の石に比べてなかなか削ることが出来ませんでした。これがネフライトの靭性(じんせい)だと実感したことがあります。 緻密なため透かしても組織が見えにくい ネフライトはトレモライトとアクチノライトが混じりあった鉱物なのですが、その偏り方がトレモライトに近いほど、色合いがホワイトになってゆきます。 逆にアクチノライトが多ければ、色合いは緑になり、炭素が入り込めば黒くなります。 ネフライトとジェダイトは、よく、混ざり合って採掘されます。ですから、部分的にジェダイトとネフライトが混じりあっていることもしばしばです。 時に、ジェダイトからネフライトに変化したものも存在し、その見分けは困難です。そしてネフライトに最も似ているのが、サーペンティンです。 サーペンティンも一緒に採れるため、さらに見分けが難しいのです。 日本の糸魚川でも、ネフライトとジェダイト、両方を拾うことができるのですが、ネフライトも今ではなかなか採れなくなりました。 だんだん価値が認識されて、拾う人が多くなったからです。 ネフライトの独特の手触りは、どこか人の肌のようにも感じられて、なじみやすく、自分の分身のように感じることがあります。 何度さわっても、また触りたくなる。そんな魅力を持っているのです。 特に珍重されているホワイトネフライトは、私も何年も探し続けていたもので、独特の愛しさを感じます。 当時から最高峰とされただけあって、この白玉だけを集めるコレクターは多く、熱狂的な人はいくつでも集めたがります。 王たちを虜にしたこの高貴な純白の宝石は、派手好みの西洋人には分からない美しさでしょう。 憧れといってもいいかもしれませんが、一度手にすると、なるほどと思います。 不思議なことに、もっと、欲しくなってしまうような欲望にかられるのです。 あさましいと思いつつも、もっと手にしたい、ずっと眺めていたい衝動にかられるのです。 いつだったか、この石を全身にまとって海外に出向いたとき、道行く中国人やお店の人にとても褒められました。 「それはジェード?とても素晴らしいコーディネートね。とても好きだわ」と、何処に行っても言われました。それほど彼らにとってこの石は特殊な感情を沸き起こさせるのです。 夢にまで見た幻のホワイトネフライトを、私はこの手に入れたはずでした。けれどまだ、満足感が薄いようです。 この奥深い魅力に、とり付かれた王族たちの気持ちが、分かるような気がいたします。 もしかすると私もまた、彼らと同じ、得体の知れない魔力にかかっていて、そのせいでさらに欲しくなってしまっているのかもしれません。 ネフライトとジェダイトを見分けるには、光に透かしてみるのがおすすめです。 黒い繊維状の組織がほぼ直角に近い角度で交わっているのがジェダイト(硬玉)で、角度が斜めになっているのがネフライト(軟玉)になります。 ただ、素人が一見してネフライトとジェダイトを見分けるのはかなり難しいので、確実に判断したいのであれば信頼できるショップで確認するのが良いでしょう。 ネフライトは自然とのつながりを深め、安らぎをもたらしてくれるパワーストーンです。 成功と繁栄を象徴する石とも言われており、仕事運を強化したい人にもおすすめできます。 ネフライトを身につけることで宇宙的な情報に敏感になるため、洞察力や直感力が冴え、的確な判断に結びつきやすくなるでしょう。 中国では生命再生の石と信じられ、死者の口や耳などにこの石を詰めて埋葬する風習がありました。 中南米、ニュージーランドなどでも儀式に用いられ、世界中で神聖な石とされています。 ネフライトは古くから「温石(おんじゃく)」として、腹部を温めて大切な臓器の不調を癒すといわれております。 中国ではかけがえのない珠宝を意味する「玉」と称され、「ジェダイト」と共に永遠不変の権威・富貴の象徴として大切にされています。 また、世界各地で肉体と霊性を司る「聖なる再生の石」として古くから神聖な儀式に用いられました。 持ち主の精神を粘り強いものに変えて鍛えてくれるこの石は、自己成長や自己実現を果たしたい人におすすめの頼もしい存在です。 「繁栄」「健康」「高貴」 ネフライトの宝石言葉は上記のようになっており、身体の不調を調えたり持ち主を成功に導いてくれる効果があると言われています。 古くから様々な種族の人々に「聖なる石」として崇められてきた鉱物であり、災いや呪いを退け、精神力を強めて移り気を防ぐ力があるとされています。 研磨加工を施したネフライトには、キャッツアイ効果と呼ばれる猫の目のような一筋の光が表面に現れることがあります。 別名「シャトヤンシー」とも呼ばれ、丁寧に加工されたネフライトのみに現れると言われています。 キャッツアイ効果はクリソベリルやアレキサンドライトなどのパワーストーンで有名ですが、ネフライトも負けず劣らず美しいです。 ネフライトの原石です。 研磨などの加工をしていない原石の状態なので、ゴツゴツとした石の感覚をダイレクトに感じることができます。 含有される鉄分が多くなるとグリーンが濃くなり、マグネシウムが多いとクリーム色〜白色に近くなります。 健康や繁栄を司る石とされているので、部屋に飾っておくことで災いから身を守ることができるでしょう。
ネフライトの宝石としての特徴とは?
歴史の中で
ただ、美しく駆けぬけた希少石
なまめかしい柔肌のような触感をかもしだし、玉の最高峰となった。
あらゆる品が、
指輪が、
ボタンが、
白玉になって王を飾った。
実はジェードという鉱物は実際には存在していません。ネフライトの歴史
世紀を越えた王たちに熱狂的に愛された玉―。特定の地域でしか採れない希少な白いネフライト
当時から愛された和田玉も、現代では流通が不安定です。
何ヶ月、あるいは何年かに1回、ウィグル自治区の行商人が中国の市場に売りにくることがある程度で、それも良品はほとんどなく、ほんの数Kgです。
ですから、良品の和田玉は、アンティークばかりで、新しい良品は見込めません。紀元前200年ごろから白玉の活躍
さらに透明度が増し、その色合いが羊の脂のように見える最高のものを、特別に「羊脂玉」と言います。
王のあらゆるものが、指輪が、ベルトが、根付が、印が、白玉になったのです。ホワイトネフライトが採れる地
王から生まれた玉
ジェダイトに王座を奪われたネフライト
軟らかくない軟玉?
ジェダイトの組織 ネフライトの組織
探し続けた白玉
ネフライトとジェダイトの見分け方
ネフライトの意味
ネフライトの効果
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ネフライトのキャッツアイ効果について
ネフライトの原石